近年、スマートフォンの普及により、NFC(Near Field Communication)が容易に利用できるようになりました。マイナンバーカードと同じような仕組みですが、NFCはスマートフォンをかざすだけで情報を読み取ることができる技術です。QRコードとは異なり、カメラアプリを起動する必要がなく、スムーズな操作が可能です。
NFCとQRコードの違い
通常のNFCは、スマホをかざすだけでWebページを開いたり、アプリを起動させることができます。電源が不要で、かざした瞬間に即座に反応するのが特徴です。似たようなことができるもっと簡単なツールとしてQRコードがあります。違いを比較すると下記になります。

NFCを活用したLINE友達追加の事例
先日、ビジネス交流会でNFCカードを使っている方に出会いました。「またOne to Oneで話しましょう」となったとき、通常ならFacebookやLINEのQRコードを開いて読み取ってもらう必要があります。
ところが、その方は「このカードにスマホをかざしてください」と名刺サイズのNFCカードを渡してくれました。スマホをかざすとWebページが開き、LINE、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)のアイコンが表示され、クリックすると各SNSのプロフィールページにすぐアクセスできる仕組みになっていました。
QRコードでも同様のことは可能ですが、NFCの方が圧倒的にスムーズでした。この便利さに感動し、自分でもNFCカードを調べてみると、プラスチック製のNFCカードが10枚1,000円以下で購入できることが分かり、試しに購入してみました。
NFCカードを試してみた!ブルっとする感覚が新鮮
カードが届き、早速自分で使ってみました。スマートフォンの書き込み専用アプリを使って、NFCカードに自分のプロフィールページのURLを書き込みます。
さっそくスマホをNFCカードに近づけてみると…
ブルッ!
一瞬スマホが震えて、画面にURLが表示されました。なんとも言えない不思議な感覚です。
QRコードをスキャンするときの「カメラを開いて→ピントを合わせて→リンクをタップ」という流れが一切なく、ただかざすだけ。驚くほどスムーズにページが開きます。
この「ブルっとする感じ」は、マイナンバーカードで認証するときの感覚と同じで、最初はちょっとドッキリしました。でも、慣れてくるとこの直感的な操作がクセになりそうです。
NFCの活用アイデア
スマートフォンの専用アプリを使えば、NFCカードに書き込む情報を自由に変更できます。何度でも上書きできるため、使い捨てにならないのも魅力です。
ただ、読み取り時はカードを見せるだけなので、基本的に1枚あれば十分です。そこで、残りの9枚をどう活用しようかと考えてみました。
例えば、ボランティア活動のLINEオープンチャット登録では、QRコードを読み取るのに手間がかかることがあります。しかし、NFCカードならスマホをかざすだけで簡単に登録ページを開けるため、スムーズに案内できます。
また、セミナーや勉強会後のアンケート誘導にも活用できます。QRコードを見せるのではなく、NFCカードにスマホをかざしてもらうだけで、即座にアンケートページを開けるので、よりストレスなく回答してもらえます。
リアルな場での活用を前提とすると、スタンプラリーやイベントのガイド配布、来場者カウント、掲示情報の詳細表示などにも応用できそうです。
特に、POPと連動させたキャンペーン情報の案内には最適でしょう。「詳しくはWebで」が一瞬ででき、QRコードの読み取り時に感じがちな「面倒くさい」というストレスもありません。より多くの人に認知されれば、リアルな場面でのWebとのつながりが一層広がると思います。
NFCチップはカードやシールなどさまざまな形態で提供されており、いずれも安価です。対面接客のある店舗などでは特におすすめです。卓上POPにQRコードを置いているなら、NFCとの併用や切り替えを検討してもよいかもしれません。「タッチでXX」といった告知をすれば、より直感的に情報を届けることができます。